2017年春期・主要映画作品情報 IV
- 2017.06.09 Friday
- 22:00
春期公開の映画情報のうち、G. ディズニー(美女と野獣) H. SF/ヒーロー映画より(メッセージ)を紹介します。(2017年6月2日)
2017年春期・主要映画作品情報 IV
(テーマ・内容別)
G. ディズニー映画より
原題: Beauty and the Beast
(2017/アメリカ)
2017年4月21日公開
なぜ彼女は野獣を愛したのか?
知られざる真実が、いま明かされる
【解説】
『美女と野獣』の物語は様々な形で多くの映画ファンの心をとらえてきた。実写版で評価が高いものに、1946年のジャン・コクトー監督によるフランス映画『美女と野獣』(1946)がある。耽美的なモノクロ映像で大人のダーク・ファンタジーを詩的に描いた傑作である。
しかし1991年、ディズニーが新たな美女と野獣の世界を誕生させた。それは単にアニメ化というばかりでなく、ミュージカルという形式にこの有名なストーリーを当てはめたもので、どの世代も楽しめるエンターテイメントが誕生したのである。その結果、アニメ版はアニメーションとして初のアカデミー賞作品賞候補となり、ブロードウェイでも舞台化されるなど、ディズニー映画の代表作の一本となり、長い間親しまれてきた。
そしていよいよ、ミュージカルの実写版の登場である。CG技術の向上でファンタジーの表現は文句がつけようがないが、村人たちの「ボンジュール」が連呼される冒頭の場面など、主にアニメ版の再現に徹している部分も多く、すでに前作を観ているものからすると、新鮮な驚きはないかもしれない。アニメのキャラが動き出しているようで、この方がかえって楽しめるというファンもいるだろうし、初めて「美女と野獣」の世界にふれて感動した人も多いようだ。
注目すべきはユアン・マクレガー(ルミエール)、イアン・マッケラン(コグスワース)など、主にイギリスの名優を中心とした豪華な声優陣である。とりわけポット夫人を演じたエマ・トンプソンが優美な主題歌を甘くソフトに歌っていて、ダンス・シーンがアニメ版以上にロマンティックなものになった。英国のテレビ・ドラマ『ダウントン・アビー』で注目されたイケメン俳優のダン・スティーブンスの歌声もなかなかなもので、新曲“Evermore”で野獣の葛藤を見事に歌い上げている。
【物語】
ひとりの美しい王子が、呪いによって醜い野獣の姿に変えられてしまう。魔女が残した一輪のバラの花びらがすべて散る前に、誰かを心から愛し、愛されることができなければ、永遠に人間には戻れない。… → 続き・予告編は公式サイトへ
【監督・脚本】
ビル・コンドン
〈代表作〉
『シカゴ』 (脚本のみ)
『ドリーム・ガールズ』
【出演】
エマ・ワトソン (ベル)
〈代表作〉
『ハリー・ポッター』 シリーズ
『ウォールフラワー』
ダン・スティーブンス (野獣)
〈代表作〉
『ダウントン・アビー』 (マシュー)
ルーク・エヴァンス (ガストン)
<代表作>
『タイタンの戦い』
ジョシュ・ギャッド (ル・フウ)
『アナと雪の女王』 (オラフ)
エマ・トンプソン (ポット夫人)
〈代表作〉
『ハワーズ・エンド』
(アカデミー賞主演女優賞受賞)
『日の名残り』(主演女優賞ノミネート)
『から騒ぎ』
(元夫のケネス・ブラナーと共演)
『いつか晴れた日に』(主演女優賞ノミネート)
『ウォルト・ディズニーの約束』
(童話作家P・J・トラヴァース役)
ユアン・マクレガー (ルミエール)
〈代表作〉
『トレインスポッティング』
『普通じゃない』
『スター・ウォーズ』(エピソード1〜3)
『ムーラン・ルージュ』
『インポッシブル』
イアン・マッケラン (コグスワース)
<代表作>
『X-MEN』 シリーズ(マグニートー役)
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作
『ホビット』三部作(いずれもガンダルフ役)
【受賞】
来年のアカデミー賞ノミネート予想
(美術・衣装デザイン・歌曲・特殊効果賞)
ゴールデングローブ賞ノミネート予想
(作品・音楽賞)
【IMDb評価】 2017/06/01
User Review
7.6/10
Metascore (Critics)
65/100
L.. SF/ヒーロー映画より
原題: Arrival
(2016/アメリカ)
2017年5月19日公開
ある日突然、巨大飛行体が地球に。
その目的は不明――
【解説】
突然、世界中に出現した謎の飛行物体。攻撃の気配もなく、出現の理由がわからず、国々が不安を募らせる中で、一人の女性言語学者が異星人とのコンタクトを依頼される。未知の言語の解読に優れた言語学者ルイーズ役を演じるエイミー・アダムスが素晴らしい。近作にはアーティストとして先が見えない女性を演じた『ビッグ・アイズ』(2014年ゴールデン・グローブ賞主演女優賞受賞)の優れた演技があった。
『メッセージ』で彼女が演じるのも、未来が見えない女性の役である。この映画は地球の未来の話でもあると同時に、ルイーズという女性の未来に関わる物語でもある。原作小説が「あなたの人生の物語」と題名である事からも推測できるように、この作品はエイリアンとの対決アクション映画ではない。登場する異星人の外見はステレオタイプと言えるかもしれないし、サスペンスと不安をかきたてる演出は随所にあるものの、何か神聖なものに近づいていくような神秘的な空気が画面からは伝わってくる。アカデミー賞では作品・監督・脚色賞など8部門にノミネートされた。エイミー・アダムスは主演女優賞にノミネートされなかったが、少なくとも候補に値するのではないだろうか。
【物語】
突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために軍に雇われた言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、“彼ら”が人類に<何>を伝えようとしているのかを探っていく。その謎を知ったルイーズを待ち受ける、美しくそして残酷な切なさを秘めた人類へのラストメッセージとは―。(公式サイトより)… → 詳細・予告編は公式サイトへ
【監督・脚本】
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
〈代表作〉
『プリズナーズ』
『ボーダーライン』
【出演】
エイミー・アダムス (ルイーズ)
〈代表作〉
『魔法にかけられて』
『ダウト 〜あるカトリック学校で〜』
『ザ・ファイター』
『人生の特等席』
『アメリカン・ハッスル』
『ビッグ・アイズ』
ジェレミー・レナー (イアン・ドネリー)
〈代表作〉
『ハート・ロッカー』
(アカデミー賞主演男優賞ノミネート)
『ザ・タウン』
(アカデミー賞助演男優賞ノミネート)
『アベンジャーズ』(ホークアイ)
『アメリカン・ハッスル』
【受賞】
アカデミー賞ノミネート
(作品・監督・脚色・撮影・美術・編集・音響調整)
アカデミー賞受賞
(音響編集賞)
ゴールデングローブ賞ノミネート
(女優・音楽賞)
【IMDb評価】 2017/06/01
User Review
8.0/10
Metascore (Critics)
80/100
K.. イギリス映画より
原題: A Monster Calls
(2016/イギリス)
2017年6月9日公開
あその怪物が喰らうのは、少年の真実――。
【解説】
夜、怪物が少年に物語を語る。それらは第1話「黒の王妃と若き王子」、第2話「薬師の秘薬」、第3話「透明人間の男」の3つ。第4話は少年が語らなくてはならない。少年が話したがらないその真実の物語とは何か。ベストセラーとなったイギリスの児童文学を映画化したのは、スペインのダーク・ファンタジーの傑作『パンズ・ラビリンス』のスタッフ。正確に言えば、イギリス映画というよりもスペインとイギリスの合作である。コナー少年を演じるのは、1000人ものオーディションで選ばれた新人のルイス・マクドゥーガル。そして不治の病の母親役にはフェリシティ・ジョーンズ、厳しい祖母役にはシガーニー・ウィーバー。さらに怪物の声をリーアム・ニーソン、と最高のキャストが揃った。監督は『永遠の子供たち』(2007)というホラー・サスペンスですでに母と息子の絆を描いているスペイン人監督のJ・A・バヨナ。ナオミ・ワッツがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『インポッシブル』(2012)では、津波で引き裂かれた親子の絆を迫力と感動の映像で見せている。
【物語】
13歳の少年コナーは、難しい病を抱えた母親と2人で裏窓から教会の墓地がみえる家に住み、毎晩悪夢にうなされていた。ある夜、コナーのもとに怪物がやって来て告げる。「今から、私はお前に3つの【真実の物語】を話す。4つ目の物話は、お前が話せ。」 しかも怪物は、コナーが隠している、“真実”を語れと迫るのだ… → 続き・予告編は公式サイトへ
【監督】
J・A・バヨナ
〈代表作〉
『永遠のこどもたち』
『インポッシブル』
【原作・脚本】
パトリック・ネス
【出演】
ルイス・マクドゥーガル (コナー)
フェリシティ・ジョーンズ (母親)
〈代表作〉
『博士と彼女のセオリー』
(アカデミー賞主演女優賞ノミネート)
『ローグワン/スターウォーズ・ストーリー』
シガーニー・ウィーバー (祖母)
〈代表作〉
『エイリアン2』
(アカデミー賞主演女優賞ノミネート)
『ワーキング・ガール』
(アカデミー賞助演女優賞ノミネート)
『愛は霧のかなたに』
(アカデミー賞主演女優賞ノミネート)
【IMDb評価】 2017/06/01
User Review
7.5/10
Metascore (Critics)
76/100
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