アカデミー賞とアメリカ映画の歴史 (1)

  • 2019.05.01 Wednesday
  • 10:00


 

 

  映画学部・映像文化学科 <シリーズ企画>

 アカデミー賞とアメリカ映画の歴史

  〜受賞すべきだったあの作品、この俳優〜

 

 <テキスト>

 Danny Perry, Alternate Oscars

 

 <講師>

 今村直樹 (本企画コーディネーター/映画学部教授)

 桑原美智子 (映画学部教授・英米俳優史研究)

 山中達弘 (映画評論家・映画学部特任教授)

 小島真由美 (演劇学部専任講師)

 吉田瑞希 (映画学部兼任講師)

 喜友名淳 (映画学部兼任講師)

 広川治 (オンライン映画演劇大学代表)

 

 


 

 

      〜講座内容と予定〜

 

       【はじめに】   今村直樹

 

映画評論家Danny PearyのAlternate Oscars (Dell Publishing,1993)という本があります。アカデミー賞受賞作や授賞式のエピソードを記した解説書とは異なり、各年度(第1回から第64回までの受賞結果を再考し、本来受賞すべき作品、俳優を論じた一冊です。

 

 

 

表紙にはOne Critic Defiant Choices for Best Picture, Actor, Actress – From 1927 to the Present(一批評家が勝手に選ぶ作品賞、男優賞、女優賞 - 1927年から現在まで)という副題があります。怒りの表情をしたオスカー像が剣を手に振り下ろそうとしている絵が描かれており、書名の上には“Angry with the Academy Choices?(アカデミー会員の選択に不満?)というコピーが添えられています。Alternateとは「既存のものに代わる」「代替案」という意味なので、‟angry"を強調してタイトルを日本語に訳すとすれば「オスカーに意義あり」といったところでしょうか。

 

Danny Pearyはアニメーションやカルト・ムービーを論じた著作が多いので、本来は正統派の名作だけでは満足しない評論家です。しかしそのセレクションを観てみると、単に好みだけで選んでいるのではなく、見落とされた優れた作品、俳優の再評価の書になっており、納得できる選択も数多く見受けられます。もちろん個人的には納得がいかない場合もありますが、彼の論調は決して受賞結果を批判しているというよりは、序文にも書かれているように、読者がこの本をネタにして、自己流の受賞作、受賞者を語って楽しんでもらえれば、といった類の一冊で、決して映画史の研究書のような堅苦しいものではありません。以降『オスカーを選び直す』という題名で言及していきます。

 

そこで本大学の映画学部としても、この書の恩恵にあずかりたいと思い、彼の本に目を通しながら、アカデミー賞の歴史の表と裏にある数多くの作品を振り返り、アメリカ映画の歴史を再考するという、この講座を企画しました。2019年度は第1回から第12回まで、1920年代末から1930年代のアカデミー賞を講座のテーマとしました。以降毎年、10年ごとの年代で区切り、長期に渡るシリーズ企画として継続していく予定です。Alternate Oscarsは執筆時の1991年のアカデミー賞までしか取り上げていないので、本講座ではその後のオスカーの行方についても論じていけたらと考えています。どこまで詳細な形で継続できるか分かりませんが、2028年の第100回アカデミー賞までは、講座を開設し続けるというのが、我々の目標です。

 

まずは下記の講座内容とDanny Pearyが選んだオスカーの一覧をご覧下さい。

 

  ダニー・ピアリーが選ぶアカデミー賞

    第1回(1927-28)〜第12回(1939)

 

 


 

 

       【講座内容】

 

 アカデミー賞とアメリカ映画の歴史

 

     第1回(1927-28年)から

     第12回(1939)年まで

 

 作品賞(第1回〜第12回)

 1. ノミネーションと受賞結果

 2. ダニー・ピアリーのセレクション

 3. 各講師の評価/座談会

  (講師:山中達弘、今村直樹、広川治ほか)

 

 主演男優賞(1回〜第12)

 1. ノミネーションと受賞結果

 2. ダニー・ピアリーのセレクション

 3. 各講師の評価/座談会

  (講師:桑原美智子山中達弘喜友名)

 

 主演女優賞(1回〜第12)

 1. ノミネーションと受賞結果

 2. ダニー・ピアリーのセレクション

 3. 各講師の評価/座談会

  (講師:桑原美智子、広川治、吉田瑞希)

 

 作曲賞・主題歌賞(7回〜第12)

 1. 音楽部門創設(1934)以前の名曲

 2. 7回〜第12回の受賞曲

  (対談:小島真由美、桑原美智子)

 

 受賞スピーチの英文と映像

  (講師:喜友名 )

 

* 講座の構成や担当講師は変更となる場合があります。

 


 

 

  Alternate Oscars by Danny Peary

 

*各年度の上がアカデミー賞作品賞男優賞女優賞

*各年度の下の枠内がダニー・ピアリーのセレクション

作品賞にあるカッコ内は、監督の名前

 

 

 1927〜28 (第1回)

  つばさ (ウィリアム・ウェルマン)

  エミール・ヤニングス (肉体の道/最後の命令)

  ジャネット・ゲイナー

  (第七天国 / 街の天使 / サンライズ)

                         

サンライズ (F・W・ムルナウ)

チャールズ・チャップリン (サーカス)

メアリー・ピックフォード (デパート娘大学)

 


 

 1928〜29 (第2回)

  ブロードウエイ・メロディ (ハリー・ボーモン)

  ワーナー・バクスター (懐しのアリゾナ)

  メアリー・ピックフォード (コケット)

                         

(ヴィクトル・シェストレム)

バスター・キートン (キートンの蒸気船)

リリアン・ギッシュ (風)

 


 

 1929〜30 (第3回)

   西部戦線異状なし (ルイス・マイルストン)

   ジョージ・アーリス (Disraeli) 

   ノーマ・シアラー (結婚草紙)  

                         

西部戦線異状なし (ルイス・マイルストン) 

ウォーレス・ビアリー (ビッグ・ハウス)

ルイーズ・ブルックス (パンドラの箱)

 


 

 1930〜31 (第4回)

  シマロン (ウェズリー・ラッグルズ)

  ライオネル・バリモア (自由の魂)

  マリー・ドレスラー (惨劇の波止場)

                         

街の灯 (チャールズ・チャップリン)

エドワード・G・ロビンソン (犯罪王リコ)

マレーネ・ディートリッヒ (モロッコ)

 


 

 1931〜32 (第5回)

  グランド・ホテル (エドモンド・グールディング)

  フレデリック・マーチ (ジキル博士とハイド)

  ヘレン・ヘイズ (マデロンの悲劇)

                         

暗黒街の顔役 (エドモンド・グールディング)

ポール・ムニ (暗黒街の顔役)

ジョーン・クロフォード (グランド・ホテル)

 


 

 1932〜33 (第6回)

  カヴァルケード (フランク・ロイド)

  チャールズ・ロートン (ヘンリー八世の私生活)

  キャサリン・ヘプバーン (勝利の朝)

                         

キング・コング

(メリアンCクーパー/アーネストシェードザック)

チャールズ・ロートン (ヘンリー八世の私生活)

グレタ・ガルボ (クリスチナ女王)

 


 

 1934 (第7回)

  或る夜の出来事 (フランク・キャプラ)

  クラーク・ゲーブル (或る夜の出来事)

  クロデット・コルベール (或る夜の出来事)

                         

恋のページェント (ジョセフ・フォン・スタンバーグ)

ジョン・バリモア (特急二十世紀)

ベティ・デイビス (痴人の愛)

 


 

 1935 (第8回)

  戦艦バウンティ号の叛乱 (フランク・ロイド)

  ビクター・マクラグレン (男の敵)

  ベティ・デイビス (青春の抗議)

                         

三十九夜 (アルフレッド・ヒッチコック)

W・C・フィールズ (南瓜サラリーマン)

キャサリン・ヘプバーン (乙女よ嘆くな)

 


 

 1936 (第9回)

  巨星ジークフェルド (ロバート・Z・レオナード)

  ポール・ムニ (科学者への道)

  ルイーゼ・ライナー (巨星ジークフェルド)

                         

モダン・タイムス (チャールズ・チャップリン)

チャールズ・チャップリン (モダン・タイムス)

ジーン・ハーロウ (結婚クーデター)

 


 

 1937 (第10回)

  ゾラの生涯 (ウィリアム・ディターレ)

  スペンサー・トレイシー (我は海の子)

  ルイーゼ・ライナー (大地)

                         

ステージ・ドア (グレゴリー・ラ・カーバ)

ケーリー・グラント (新婚道中記)

アイリーン・ダン (新婚道中記)

 


 

 1938 (第11回)

  我が家の楽園 (フランク・キャプラ)

  スペンサー・トレイシー (少年の町)

  ベティ・デイビス (黒蘭の女)

                         

ロビン・フッドの冒険

(マイケル・カーティス、ウィリアム・キーリー)

ジェームズ・キャグニー (汚れた顔の天使)

マーガレット・サラヴァン (三人の仲間)

 


 

 1939 (第12回)

  風と共に去りぬ (ビクター・フレミング)

  ロバート・ドーナット (チップス先生さようなら)

  ビビアン・リー (風と共に去りぬ)

                         

オズの魔法使 (ビクター・フレミング)

ロバート・ドーナット (チップス先生さようなら)

ビビアン・リー (風と共に去りぬ)

 


 

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contents

  

    演劇学部推薦公演(2019年秋期)

   

  

    映画学部推薦作品(2019年秋期)

   

  



  

オンライン映画演劇大学は映画と

演劇を幅広く紹介、解説、研究する

オンライン上の教育・文化活動です。

文部科学省の認可は受け ていませんが、実際の大学での授業と連携した情報や研究も掲載しています。

  



  

   <9月の推薦作品>

  ・ 演劇学部推薦公演

  ・ 映画学部推薦作品

  



  

     <新着記事・講座>

  

New

・ 2019年 秋期

      観劇レポート対象作品

     が発表されました。

             (19/9/16)

New

・ 2019年 秋期

      映画レポート対象作品

     が発表されました。

             (19/9/15)

New

・ 2019年 IMDb

     外国映画ベストテン

    (資料作成: 今村直樹)

             (19/8/24)

Update

・ 2019年英米演劇上演予定

             (19/8/8)

 

・ 『英国万歳!』で

     朗読される

     『リア王』の名場面

     が掲載されました。

             (19/5/31)

 

・ 『英国万歳!』

   〜登場人物・物語の解説

     が掲載されました。

             (19/5/30)

 

・ ミュージカル

   She Loves Me のすべて

     が掲載されました。

             (19/5/5)

 

・ 映画学部主催の新講座

   アカデミー賞と

     アメリカ映画の歴史

     講座内容・予定が

     発表されました。

             (19/5/1)

 

・ オンライン映画演劇大学

     英米演劇大賞2018

    (受賞作・受賞者の発表)

 

・ オンライン映画演劇大学

     シネマグランプリ2018

    (受賞作・受賞者の発表)

 

・ 2018年 (第92回)

     キネマ旬報ベストテン

 

・ 2018年 IMDb

     外国映画ベストテン

    (資料作成: 今村直樹)

 


  

 

 

 〜優秀賞の発表と選評〜

  


  

・ 2017年 IMDb

     外国映画ベストテン

    (資料作成: 今村直樹)

  




  

<過去の主要記事・講座>

  

     【シェイクスピア学科】

  

        (講師: 広川治)

・ 講座概要・予定

・ 第1回  シェイクスピアって

                 ヤバくない?

・ 第2回  恋人たちの

                 シェイクスピア

・ 第3回  軍隊で

            シェイクスピア?

・ 第4回  アクション・スター

            がハムレット

・ 第5回  俳優たちの

                 『ハムレット』

・ 第6回  国王のための

                 名せりふ

・ 第7回  宇宙の彼方の

                 シェイクスピア

  




  

     【アメリカ演劇学科】

  

・  『エンジェルス・イン・

       アメリカ  第1部』

      (解説: 篠山芳雄)

  

・  アーサー・ミラー

  『セールスマンの死』研究

  (講師: 篠山(ささやま)芳雄)

  


  

 

  (講師: 小島真由美)

・ 講座概要

・ 作品リスト

・ 映画リスト

・ 第1回入門編

・ 第2回 『カム・ブロー・

              ユア・ホーン』

・ 第3回 『はだしで散歩』

・ 第4回 『おかしな二人』

・ 第5回

    『スウィート・チャリティ』

 原作: 映画『カビリアの夜』

          初演(1966年)

映画『スウィート・チャリティ』

                   *

・ 第6回 映画 『紳士泥棒

          大ゴールデン作戦』

・ 第7回 『星条旗娘』

・ 第8回 『プラザ・スイート』

・ 第9回 『浮気の終着駅』

・ 第10回 『ジンジャー

               ブレッド・レディ』

  




  

     【イギリス演劇学科】

  

・  ワイルド流喜劇のレシピ

      オスカー・ワイルド

      『まじめが大切』論

      (講師: 石田伸也)

  

・ テレンス・ラティガンを観る

         『深く青い海』

        (講師: 広川治)

 

・    『ローゼンクランツと

ギルデンスターンは死んだ』

      (解説: 石田伸也)

  

・   ミュージカル

    『ビリー・エリオット』

   〜英語の歌詞に見る

       団結、自由、信念〜

        (講師: 広川治)

  


  

    

      + 観劇レポートより

  




  

 【映画学部・映像文化学科】

  

・  カズオ・イシグロ

   『日の名残り』の映画化

      (講師: 篠山芳雄)

  

・ キネマ旬報ベストテン分析

      (講師: 今村直樹)

  

  <2017年夏>

     世界の映画を観る、

        映画で世界を見る

  


  

    

  




  

 (詳細な目次については

  CONTENTSページ参照)

  

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   演劇学部推薦公演

    (2019年8月)

  

   ヘンリー六世 三部作

       リチャード三世

       (カクシンハン)

作: シェイクスピア

翻訳: 松岡和子

演出: 木村龍之介

主演: 河内大和、真以美

        (7/25〜8/12)

  


  

       人形の家part2

         (パルコ)

 作: ルーカス・ナス

 翻訳: 常田景子

 演出: 栗山民也

 主演: 永作博美

        (8/9〜9/1)

  


  

    ブラッケン・ムーア

          (東宝)

作:アレクシ・ケイ・

         キャンベル

翻訳: 広田敦郎

演出: 上村聡史

主演: 岡田将生、木村多江

        (8/14〜27)

  

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 映画学部推薦作品 (新作)

  

 (2018年洋画推薦作品)

   


  

 『スリー・ビルボード』

   2/1〜  公式サイト

 『タクシー運転手

    約束は海を越えて』

   4/21〜  公式サイト

 『フロリダ・プロジェクト

     真夏の魔法』

   5/12〜  公式サイト

 『ワンダー  君は太陽』

   6/15〜  解説ページ

 『ブリグズビー・ベア』

   6/23〜  公式サイト

  


  

 『判決、

     ふたつの希望』

   8/31〜  公式サイト

 『1987、

     ある闘いの真実』

   9/8〜  公式サイト

 『バッド・ジーニアス』

   9/22〜  公式サイト

 『search サーチ』

   10/26〜  公式サイト

 『ボヘミアン・ラプソディ』

   11/9〜  公式サイト

 『アリー/ スター誕生』

   12/21〜  公式サイト

  



  

 (2019年1月推薦作品)

 『バジュランギおじさんと、

   小さな迷子』

   1/18〜  公式サイト

  


  

 (2019年2月推薦作品)

 『メリー・ポピンズ

     リターンズ』

   2/1〜  公式サイト

 『女王陛下のお気に入り』

   2/15〜  公式サイト

  


  

 (2019年3月推薦作品)

 『グリーンブック』

   3/1〜  公式サイト

 『ブラック・クランズマン』

   3/22〜  公式サイト

  


  

 (2019年4月推薦作品)

 『僕たちのラストステージ』

   4/19〜  公式サイト

 『幸福なラザロ』

   4/19〜  公式サイト

  


  

 (2019年5月推薦作品)

 『ドント・ウォーリー』

   5/3〜  公式サイト

 『僕たちは希望という

      名の列車に乗った』

   5/17〜  公式サイト

  


  

 (2019年6月推薦作品)

 『SANJU/サンジュ』

   6/15〜  公式サイト

 『パピヨン』

   6/21〜  公式サイト

  


  

 (2019年7月推薦作品)

 『COLD WAR

      あの歌、2つの心』

   6/28〜  公式サイト

 『Girl/ガール』

   7/5〜  公式サイト

  


  

 (2019年8月推薦作品)

『存在のない子供たち』

   7/20〜  公式サイト

 『シークレット・

      スーパースター』

   8/9〜  公式サイト

  

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