『星条旗娘』

  • 2017.02.22 Wednesday
  • 23:00

 

 

アメリカ演劇学科の講座「ニール・サイモンの世界」の第7回『星条旗娘』です。講座全体の予定については講座概略のページをご参照下さい。(2017年2月22日)


 

     アメリカ演劇学科講座

  ニール・サイモンの世界

 

     

 

 

       第7回 

     『星条旗娘』

 

 講師:小島真由美(演劇学部専任講師)

 

 <目次>

 1. 解説

 2. 初演

 3. ストーリー

 4. 映画化

 5. 日本での上演

 


 

 

      1.解説

 

「ニール・サイモンの世界」の第7回『星条旗娘』です。原題はStar-Spangled Girl。Star-Spangled banner(星条旗)から作ったサイモンの造語で、‟生粋のアメリカ娘”という意味が込められた題名です。舞台はサンフランシスコのオフィス兼アパート。反体制の新聞を発行している二人の青年が主人公です。劇の導入部は若者版「おかしな二人」のような正反対の性格の対立から始まります。でも隣の部屋に南部から女の子が引っ越して来て、三角関係の滑稽なラブ・コメディ「おかしな三人」が始まります。でもこの作品、日本の戯曲集に翻訳が収められていないんです。大人が主人公の喜劇の場合に感じられる人生のほろ苦い味わいが感じられないせいでしょうか。確かにそれまでのサイモン作品と比べると、ファース(笑劇)としても人生喜劇としても、物足りない部分があるかもしれません。でも主人公が三人の若者ということもあって、アメリカでは、地方の劇団や学校公演、授業などで上演されているようです。原題で動画を検索してみたら、学生が演じている小公演や稽古がいくつかアップされていました。日本ではオフィス・シルバーライニングや加藤健一事務所等が小田島雄志・若子訳の台本で上演しています。今回の講座では、オンライン映画演劇大学代表の広川治先生にお願いして引用部分を翻訳していただきました。では、どんな作品でしょうか。結構笑えると思います。

 


 

 

      2.初演

 

 初演:1966年12月21日―1967年8月5日

 劇場:プリマス劇場

 上演回数:261回公演

 演出: ジョージ・アクセルロッド 

 CAST:

  アンソニー・パーキンス・・・アンディー

  リチャード・ベンジャミン・・・ノーマン

  コニー・スティーブンス・・・ソフィー

 

演出のジョージ・アクセルロッドは劇作家。代表作に『七年目の浮気』があります。この劇はマリリン・モンロー主演の映画化が有名ですね。アンソニー・パーキンスはヒッチコックの『サイコ』の不気味な青年役で知られている俳優さんですが、彼がこの作品で演じるのは、まともな方のアンディです。ソフィーに一目惚れしてメロメロになって笑わせてくれるノーマンを演じるのがリチャード・ベンジャミン。数年後にニール・サイモンの『サンシャイン・ボーイズ』の映画化に出演し、主人公の甥の役を演じています。コニー・スティーブンスは1950年代から60年代にテレビ・ドラマで人気を集めた、当時のアメリカを代表するアイドル女優・歌手の一人で、数多くのヒット曲があります。

 

  

    *写真:Playbillより(playbill.com 2017/2/13) 

 


 

 

      3. ストーリー

 

        第1幕

 

        第1場

 

アンディーとノーマンは二人で新聞を発行して反体制運動の使命に燃えているが、発行部数は微々たるもの。二人はアパートをシェアして雑誌の編集室としても使っている。記事はすべてノーマンが書き、アンディーは編集や発行の担当のみ。アンディーは借金催促の電話を声色を使い分けて器用にかわし、バイクを乗り回す未亡人の家主から電話で家賃を催促されると、ご機嫌を取るために彼女の運転するバイクに乗って出かけるという情けない日々を過ごしています。彼はノーマンに愚痴をこぼします。

 

 アンディ:いいか、今夜、事故に遭って、マダムの横に俺の遺体が並んでいたら、親父とおふくろには俺は誘拐されたって事にしといてくれ。

 

アンディーはノーマンの文才を認め、雑誌は彼がいてこそと考えているのですが、息抜きに女の子と遊びに行こうと誘っても、真面目なノーマンはきっぱりと断ります。

 

 ノーマン: 遊びに出るのは今号の原稿を書き上げてからだ。

 アンディー: どんな女の子とだったらOKなんだ。

 ノーマン: 隣の部屋にうっとりするようなブロンドの美人が引っ越して来たら、その時はマジ、恋に落ちるだろうな。

 

だがアンディが部屋に引っ込むと、ドアベルが鳴って・・・。

 

 ソフィー:はじめまして。隣の部屋に引っ越してきてきたソフィー・ラウシュマイヤーです。都会の人って近所の人に挨拶などしないんでしょうけど、そうしなさいって実家で言われたんで、来ちゃいました。よろしくお願いしま〜す。 

 

ソフィーは満面の笑みをたたえ、ドアを閉めます。ノーマンは呆然と立ち尽くすのみ。

 

 アンディー: ベルが鳴ったんじゃないか? ノーマン、お客さんか?

 ノーマン: え? 何?あ、いや、何でもない。誰も来ていないから、 部屋に戻っていいよ。

 アンディー: ノーマン、どうかしたのか?

 ノーマン: どうもしてないよ。いいから部屋に戻ってくれ。こっちは原稿で忙しいんだから。

 アンディー: ドアの前で書いてるのか?

 ノーマン: 空気を入れ替えたいんだ。

 アンディー: だったら窓を開ければいいじゃないか。

 ノーマン: 新鮮な空気を入れたいんだよ。外の空気は汚れているからダメだ。お願いだから部屋に戻っててくれ。

 アンディー: 分かった、分かった。そう、興奮するな。落ち着けよ(ここで再びベルが鳴り、アンディーは身動き一つしないノーマンを見て言う。) 今度は聞こえたぞ。

 

ノーマンが ドアを開けるとそこには再びソフィーが…。

 

   

 Theatre Perth presents Kate Gordon as Sophie (1)

     

 ソフィー: たびたびごめんなさいね。いま荷物をほどいてたら、故郷のお友達からこのフルーツ・ケーキが届いたんです。私、水泳の選手でトレーニング中なので、ラム酒が入っているの、ダメなんです。でも捨てるのはもったいないでしょう? だからどうぞ、召しあがってちょうだい。(ノーマンにケーキを渡す)よろしくお願いしま〜す。(ドアを閉めて退場。ノーマンはドアをずっと見つめたまま)

 アンディー: ノーマン、今の誰だ?

 ノーマン: 誰だっていいじゃないか。最初に会ったのはこの僕だ。

 アンディー: そりゃ、最初に会ったのはお前だよ。でもいったい誰なんだ。

 ノーマン: 彼女の名前はソフィー・ラウシュマイヤーで、隣の部屋に引っ越してきて、ラム酒入りのケーキをくれて、僕は恋に落ちた。(部屋をあちこちと走り回り) ワオー! このアパートに引っ越して来るなんて! それも僕の隣の部屋に!(ケーキをテーブルに置いて) 僕のためにこんな物まで!ああ神様、素晴らしいプレゼントに感謝します。(と言いながらノーマンは両手を大きく広げる)

 アンディー: ケーキぐらいでそんなに喜ぶんだったら、クリスマスにプレゼントするんだったよ。

 ノーマン: (部屋中でダンスをしながら)ああ、かぐわしき香り。彼女の匂い、君にも味わってもらいたかった。鼻の穴を思いっきり開いて彼女の匂いを嗅いてほしかった。

 アンディー: (下に降りて来て) 僕は二階にいたんだ。二階まで匂って来るもんか・・・これじゃお前、ダンシング・シューズが必要だな。

 

ノーマンはソフィーのハートを射止めるための相談をアンディに持ちかけます。

 

 ノーマン: 花束はどうだろう。毎朝プレゼントするんだ。いや、一日に二回。それだけじゃダメだ。もっと大きい物がいい。 

 アンディー: だったら、木でもプレゼントするんだな。

 

そしてノーマンが思いついたのが、とんでもない作戦。

 

 ノーマン: アパートの階段にペンキで書いていくんだ、一段ごとに一文字ずつ。彼女は家に戻って来る。そして階段を昇っていく。すると文章はこうなる。(階段に書くように指を上に向けて)「アイ・ラブ・ユー、ソフィー・ラウシュマイヤー!」

 アンディー: でも彼女、もう部屋にいるんだろ? 朝になって降りて行くんだと、逆さに見えて、こうなるんじゃないか?「ヤーイマシュウラ、フィーソ、ユー・ラブ・アイ!」

 ノーマン: ふざけるのも、いいかげんにしろ!

 アンディー: これからマッキンニー夫人とバイクで出かけきゃならない。無事に生きていれば、2時には戻れる。3時すぎても戻らなかったら、その時は死んだものと思ってくれ。

 

(退場、暗転)

 

 

        第2場

 

3日後。ソフィーに会って以来、ノーマンは彼女への気持ちが高まるばかりで新聞記事は一行も書いていません。アンディーはノーマンの恋の熱を何とかして冷ましたいのですが…(写真2:左がノーマン)

 

 

 

 アンディー: どんな女の子かよく知りもしないくせに。

 ノーマン: 彼女の事なら知ってるとも。(望遠鏡に近づく)彼女は1週間に6日出勤している。この望遠鏡で見てるんだ。朝いつもバス停へ猛ダッシュしているよ。仕事帰りの彼女はくたくたさ。コンビーフ、さぞかしおいしく食べたんだろうな。どんなに立派な美人でも、やっぱりお腹はすくんだな。

 アンディー: 何でメニューまで分かるんだ?

 ノーマン: そりゃ、毎日彼女の出したゴミをチェックしてるからね。

 アンディー: ノーマン、いい加減にしてくれよ。

 ノーマン: いい加減にしろだって? 冗談じゃない。仕事ばかりの毎日とはもうおさらばだ。僕は動物のように自由だ!

 

浮かれてやりたい放題のノーマンにソフィーもうんざりして苦情を言いに来ます。自分は海兵隊員と婚約中だとも伝えるんですが、ノーマンの気持ちは変わるどころか、モップを持って彼女の部屋の床掃除までし始めてしまいます。アンディーは警察に電話しようとするソフィーを制して、ノーマンを才能のある仲間として弁護し、自分たちの雑誌の使命を語り始めるのでした。(写真3)

 

 


 アンディー: 僕たちの信条は「病んだ社会を治療する」ことだ。といっても実際に治療するんじゃない。診断するのが仕事。問題点を指摘する役割だ。僕は編集と発行が担当。原稿をまとめ、販売する。執筆者はノーマン。彼は14も名前を変えて雑誌の記事をすべて一人で書いてるんだ。(中略) でもね、ラウシュマイヤーさん。あなたがこの才能あるいかれた男に微笑みかけて「ブタペスト・ソーセージまでいただいちゃって、ありがとうございま〜す。」って言ってくれないと、自由な出版業界の最高の機関誌がこのアメリカから消えてなくなってしまうんだ! (しばらく間があり、アンディはソフィーの反応を待つ)

 ソフィー: あたしたち、まだお互いちゃんと自己紹介していなかったわね。

 アンディー: ホバート。アンドリュー・ホバート。

 ソフィー: よろしく。あたしはソフィー・ラウシュマイヤー。(握手する)

 

ソフィーは自分が東京オリンピックに出場した元水泳選手で、今はYWCAで水泳のコーチをしていると話します。アンディーはノーマンに出過ぎたマネはさせないようにするから、態度を和らげてくれと頼んで、ソフィーは渋々承知します。ノーマンが戻ると、ソフィーは取りあえず掃除に関しては「ありがとう」と感謝をひと言だけ伝えます。するとノーマンはテープ・レコーダーに録音したいから、ひと言だけ「ノーマン」と言ってくれとソフィーに頼みます。するとノーマンは、彼女が帰ったあとで、録音された彼女のひと言とあたかも会話しているように楽しむのでした。

 

 ノーマン: 僕だけに教えてくれ。君が愛してるのは誰だい?

 ソフィーの声: ノーマン。

 

        第2幕

 

        第1場

 

しかしノーマンの暴走は止まらなかった。彼は男子禁制のYWCAでソフィーを追い回し、それが元で彼女は仕事をクビになってしまいます。ソフィーに責任を問われたアンディは、この編集室で働かないかと提案してみます。(写真4)

 

ソフィー: そんな事する位だったら、オリンピックで中国に負けた方がよっぽどましよ。

 

     

 

保守的なソフィーは反米的な雑誌の手伝いを拒否するのですが、職探しの手段を知らない彼女は結局妥協して提案を受け入れるしかありません。

 

        第2場

 

2人のために働き始めたソフィー。ノーマンは原稿をタイプで打ちながら、スペルが分からない単語が出て来るたびに彼女を呼んで、辞書を開かせて綴りを読ませます。スペルより彼女にそばに来てほしい魂胆なのは明らかですね。(写真5)

 

 ソフィー: Ubiquitous(遍在する)ね。U-b-i-q-u-i-t-o-u-s。

 

 

 

何度も呼び出されてソフィーはイライラし、ノーマンが思わず耳たぶを噛んでくるに至っては怒りを爆発させ、部屋を出てってしまいます。困ったアンディーはソフィーに何とか留まってもらえるように給料を上げると約束し、彼女の機嫌を取り戻すためにノーマンにワインを買いに行かせます。怒りの収まらないソフィーはアンディーが原稿を読んでいるとわざとほこりを立てて掃除をしたり、大声で歌を歌ったりして彼を困らせ、しまいに二人の対立はアメリカ批判とアメリカ礼賛の口論にまで発展してしまいます。

 

アンディーはソフィーを今の時代に反する女性だと批判します。

 

 アンディー: 君は田舎者で、時代遅れで、古風で、非現実的で、想像力に乏しく、向上心も知識もなくて、物事の表面しか見ないんだ。

 

ソフィーも相手を非難しますが、ここで信じられないような発言が。

 

 ソフィー: 私があなたを嫌っているのは、この国の海兵隊の少尉と婚約しているから。数週間後には私たちは結婚する。でもハンガリーの精神分析医でなきゃ説明できないような変な気持ちになって気づいたの。私の体はあなたを求めてるんだって!

 

何を耳にしたか理解できないアンディーは彼女に尋ねます。

 

 アンディー: 僕の外見が好きなの?

 ソフィー: それほどでも。(中略)

 アンディー: じゃあ、僕の服のセンス?

 ソフィー: どうかしら。

 アンディー: じゃあ、僕のどこが好きなんだ?

 ソフィー: あなたの匂いが好きなの!

 

  

 

状況が飲み込めないまま、ソフィーとキスをしてしまうアンディー。ちょうどそこへノーマンが買い物から帰宅!自分はわざと買い物に出されたんだと思ってショックを受けてしまうのでした。(写真6)

 

        第3幕

 

ノーマンは荷物をまとめて出て行こうとするが、アンディーは何とかして彼を引きとめようとします。二人は空手の試合のような殴り合いまで始めてしまい、やがてソフィーも別れの言葉を告げに現われます。果たしてこのおかしな三人の恋と友情の顛末やいかに。(写真7)

 

  

 

【写真】

 1. Star-Spangled Girl, directed by Laurel Smith

  (The Classic Theatre Festival at the Full Circle Theatre, Perth, Canada, 2013)

 2. The Neil Simon Festival

  (http://simonfest.org/000DEV/WordPress/the-star-spangled-girl/) 

 3. The Star-Spangled Girl, directed by: Claudia Feldstein

  (CUNY Summer Performing Arts Festival – Queens College)

 4. Eastern Kentucky University

  (Department of English and Theatre, 2012)

 5. Maria Maloney as Sophie

  (http://mariamaloney.com/gallery/the-star-spangled-girl/)

 6. Star-Spangled Girl, directed by Laurel Smith

  (Theatre Perth)

 7. Andrew McLeod (Andy) & Chris Landis (Norman) in The Star-Spangled Girl, directed by Bryan Halperin

  (The Winnipesaukee Playhouse, 2005)

 


 

 

      4.映画化


  Star Spangled Girl  (1971年、日本未公開)

 

    

  

  (左より: トニー・ロバーツ/サンディ・ダンカン/トッド・サスマン)

 

監督:ジェリー・パリス  

脚本:アーノルド・マーゴリン

   ジム・パーカー

出演:サンディ・ダンカン

・・・エイミー・クーパー役

(原作ではソフィー・ラウシュマイヤー)

トニー・ロバーツ・・アンディ・ホバート

トッド・サスマン・・ノーマン・コーネル

エリザベス・アレン・・家主マッケニーニ夫人

 

 

    (写真上) ソフィー(映画ではエイミー)とノーマン

    (写真下) エイミーとアンディー

 

 

【解説】

映画の冒頭は、原作ではソフィーにあたるエイミーが乗ったバスの場面。初めてのロサンジェルスの街の景色を見た彼女は「思ってたよりずっと大きい街ね」と隣の席に座っていたカウボーイ・ハットの青年に話しかけます。「そうだね」と答えるこの若者、どこかで見たことがあるなと思ったら、そうそう、これは映画『真夜中のカーボーイ』(1969)の主人公のジョー・バックのパロディなんですね。アカデミー賞で作品賞も受賞している、アメリカン・ニューシネマを代表する映画です。ジョーは、ニューヨークでモテモテになって有閑マダムたちの人気者になってやろうとテキサスの田舎から上京してきます。でも都会はそんなに甘くありません。彼は誰にも相手にされず、逆にうさんくさい男にだまされたりといいこと一つない...というところから始まる映画です。Star Spangled Girl では、エイミーに「ロサンジェルスには観光で? それともこちらに住むつもり?」と聞かれて「さあ、どうなるかな。ニューヨークみたいに居心地がよくなかったら、また別の町に行くだけのことさ」といかにもジョーらしく話します。

 

 

 

エイミーが到着するのは、アンディーとノーマンが住む家の向かいの貸家という設定。これはアパートの室内劇だとスクリーンでは窮屈だからでしょう。会話の場面を一部屋外に移したり、新たに屋外の場面を追加したりと、場面のオープン・アップという方法で閉塞感をできるだけ減らそうとするのが、客間劇の映画化の常套手段です。やはりこの映画でも、エイミーの飼い猫が行方不明になり、アンディと一緒に家の周りを探す場面などが書き足されています。

 

    

 

原作ではノーマンが階段に書いていく愛の言葉も、映画では通り沿いのビルの壁に書かれ、仕事帰りのエイミーがバスの中から「ノーマンはエイミーに夢中」という言葉を見つけて唖然としてしまいます。原作では言及されるだけの家主のマッケニーニ夫人がアンディーを乗せてバイクを猛スピードでとばす場面もあります。他の場面でアンディーは、サーフィンや水上スキーをつき合わされたり、彼女の操縦するグライダーに乗って大空で叫び声をあげるなど、二人のおかしな場面が室内場面の間に挿入されています。

 

   

 

ノーマンがエイミーがいるYWCAを訪れ、男子禁制の場が大騒ぎになってしまう場面も笑えますが、大筋は原作と同じです。ただエンディング近くから原作劇と異なる展開になっていきます。エイミーが荷物をまとめて部屋を出て行ってしまった後、アンディーは、今まで感じなかった彼女の‟匂い”というものが部屋に残っているのが分かるようになります。エイミーへの恋心を自覚した彼は、バイクで彼女の乗った遠距離バスを追いかけ、ハイウエイでバスの中の彼女に思いを打ち明けるのです。エイミーはロスに喜んで戻ることになるのですが、めったに運転したことがないバイクが止まらなくなって、アンディーは「ア〜ッ!バイクが止まらない!」と叫び声をあげてしまいます。このアンディー、映画では結構何回も絶叫してしまうんですね。でもラスト・シーンで絶叫するのはノーマンの方。アンディーに代わってマッケニーニ夫人のお相手をすることになったノーマンがトライさせられるのは、何とスカイ・ダイビング。真っ逆さまに落ちていきながら「ア〜ッ!どこにいるか知らないが、ノーマン、何とかしてくれ〜!」という彼の絶叫でジ・エンドとなります。

 

コメディ映画として絶対におすすめというレベルの作品ではないので、日本未公開でDVDの発売がないのも仕方がないことでしょう。でも三人のコミカルな演技はちょっとした見ものですし、サイモンらしいボケのキャラクターであるノーマンと皮肉っぽいツッコミのアンディのアップテンポの掛け合いも聞きごたえがあって楽しめた映画化でした。

 

 


 

 

      5.日本の上演

 

☆『おお星条旗娘!』

 

 製作:オフィス・シルバーライニング  

 上演:1991年5月31日〜6月9日

 劇場:シアターVアカサカ

 演出:小林裕

《出演》

 矢島健一(アンディ・ホバート)

 石田圭祐(ノーマン・コーネル)

 旺なつき(ソフィー・ラウシュメイヤー)

 

 

(写真) ニール・サイモン全作品上演シリーズのパンフレットより

 

☆ 『おお、星条旗娘!』

 

 製作:加藤健一事務所

 上演:1999年10月21日〜11月14日

 劇場:本多劇場

 翻訳:小田島雄志・小田島若子 

 演出:綾田俊樹

 出演:加藤健一、角野卓造、富本牧子

 

 


 

 

 

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contents

  

    演劇学部推薦公演(2019年秋期)

   

  

    映画学部推薦作品(2019年秋期)

   

  



  

オンライン映画演劇大学は映画と

演劇を幅広く紹介、解説、研究する

オンライン上の教育・文化活動です。

文部科学省の認可は受け ていませんが、実際の大学での授業と連携した情報や研究も掲載しています。

  



  

   <9月の推薦作品>

  ・ 演劇学部推薦公演

  ・ 映画学部推薦作品

  



  

     <新着記事・講座>

  

New

・ 2019年 秋期

      観劇レポート対象作品

     が発表されました。

             (19/9/16)

New

・ 2019年 秋期

      映画レポート対象作品

     が発表されました。

             (19/9/15)

New

・ 2019年 IMDb

     外国映画ベストテン

    (資料作成: 今村直樹)

             (19/8/24)

Update

・ 2019年英米演劇上演予定

             (19/8/8)

 

・ 『英国万歳!』で

     朗読される

     『リア王』の名場面

     が掲載されました。

             (19/5/31)

 

・ 『英国万歳!』

   〜登場人物・物語の解説

     が掲載されました。

             (19/5/30)

 

・ ミュージカル

   She Loves Me のすべて

     が掲載されました。

             (19/5/5)

 

・ 映画学部主催の新講座

   アカデミー賞と

     アメリカ映画の歴史

     講座内容・予定が

     発表されました。

             (19/5/1)

 

・ オンライン映画演劇大学

     英米演劇大賞2018

    (受賞作・受賞者の発表)

 

・ オンライン映画演劇大学

     シネマグランプリ2018

    (受賞作・受賞者の発表)

 

・ 2018年 (第92回)

     キネマ旬報ベストテン

 

・ 2018年 IMDb

     外国映画ベストテン

    (資料作成: 今村直樹)

 


  

 

 

 〜優秀賞の発表と選評〜

  


  

・ 2017年 IMDb

     外国映画ベストテン

    (資料作成: 今村直樹)

  




  

<過去の主要記事・講座>

  

     【シェイクスピア学科】

  

        (講師: 広川治)

・ 講座概要・予定

・ 第1回  シェイクスピアって

                 ヤバくない?

・ 第2回  恋人たちの

                 シェイクスピア

・ 第3回  軍隊で

            シェイクスピア?

・ 第4回  アクション・スター

            がハムレット

・ 第5回  俳優たちの

                 『ハムレット』

・ 第6回  国王のための

                 名せりふ

・ 第7回  宇宙の彼方の

                 シェイクスピア

  




  

     【アメリカ演劇学科】

  

・  『エンジェルス・イン・

       アメリカ  第1部』

      (解説: 篠山芳雄)

  

・  アーサー・ミラー

  『セールスマンの死』研究

  (講師: 篠山(ささやま)芳雄)

  


  

 

  (講師: 小島真由美)

・ 講座概要

・ 作品リスト

・ 映画リスト

・ 第1回入門編

・ 第2回 『カム・ブロー・

              ユア・ホーン』

・ 第3回 『はだしで散歩』

・ 第4回 『おかしな二人』

・ 第5回

    『スウィート・チャリティ』

 原作: 映画『カビリアの夜』

          初演(1966年)

映画『スウィート・チャリティ』

                   *

・ 第6回 映画 『紳士泥棒

          大ゴールデン作戦』

・ 第7回 『星条旗娘』

・ 第8回 『プラザ・スイート』

・ 第9回 『浮気の終着駅』

・ 第10回 『ジンジャー

               ブレッド・レディ』

  




  

     【イギリス演劇学科】

  

・  ワイルド流喜劇のレシピ

      オスカー・ワイルド

      『まじめが大切』論

      (講師: 石田伸也)

  

・ テレンス・ラティガンを観る

         『深く青い海』

        (講師: 広川治)

 

・    『ローゼンクランツと

ギルデンスターンは死んだ』

      (解説: 石田伸也)

  

・   ミュージカル

    『ビリー・エリオット』

   〜英語の歌詞に見る

       団結、自由、信念〜

        (講師: 広川治)

  


  

    

      + 観劇レポートより

  




  

 【映画学部・映像文化学科】

  

・  カズオ・イシグロ

   『日の名残り』の映画化

      (講師: 篠山芳雄)

  

・ キネマ旬報ベストテン分析

      (講師: 今村直樹)

  

  <2017年夏>

     世界の映画を観る、

        映画で世界を見る

  


  

    

  




  

 (詳細な目次については

  CONTENTSページ参照)

  

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   演劇学部推薦公演

    (2019年8月)

  

   ヘンリー六世 三部作

       リチャード三世

       (カクシンハン)

作: シェイクスピア

翻訳: 松岡和子

演出: 木村龍之介

主演: 河内大和、真以美

        (7/25〜8/12)

  


  

       人形の家part2

         (パルコ)

 作: ルーカス・ナス

 翻訳: 常田景子

 演出: 栗山民也

 主演: 永作博美

        (8/9〜9/1)

  


  

    ブラッケン・ムーア

          (東宝)

作:アレクシ・ケイ・

         キャンベル

翻訳: 広田敦郎

演出: 上村聡史

主演: 岡田将生、木村多江

        (8/14〜27)

  

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 映画学部推薦作品 (新作)

  

 (2018年洋画推薦作品)

   


  

 『スリー・ビルボード』

   2/1〜  公式サイト

 『タクシー運転手

    約束は海を越えて』

   4/21〜  公式サイト

 『フロリダ・プロジェクト

     真夏の魔法』

   5/12〜  公式サイト

 『ワンダー  君は太陽』

   6/15〜  解説ページ

 『ブリグズビー・ベア』

   6/23〜  公式サイト

  


  

 『判決、

     ふたつの希望』

   8/31〜  公式サイト

 『1987、

     ある闘いの真実』

   9/8〜  公式サイト

 『バッド・ジーニアス』

   9/22〜  公式サイト

 『search サーチ』

   10/26〜  公式サイト

 『ボヘミアン・ラプソディ』

   11/9〜  公式サイト

 『アリー/ スター誕生』

   12/21〜  公式サイト

  



  

 (2019年1月推薦作品)

 『バジュランギおじさんと、

   小さな迷子』

   1/18〜  公式サイト

  


  

 (2019年2月推薦作品)

 『メリー・ポピンズ

     リターンズ』

   2/1〜  公式サイト

 『女王陛下のお気に入り』

   2/15〜  公式サイト

  


  

 (2019年3月推薦作品)

 『グリーンブック』

   3/1〜  公式サイト

 『ブラック・クランズマン』

   3/22〜  公式サイト

  


  

 (2019年4月推薦作品)

 『僕たちのラストステージ』

   4/19〜  公式サイト

 『幸福なラザロ』

   4/19〜  公式サイト

  


  

 (2019年5月推薦作品)

 『ドント・ウォーリー』

   5/3〜  公式サイト

 『僕たちは希望という

      名の列車に乗った』

   5/17〜  公式サイト

  


  

 (2019年6月推薦作品)

 『SANJU/サンジュ』

   6/15〜  公式サイト

 『パピヨン』

   6/21〜  公式サイト

  


  

 (2019年7月推薦作品)

 『COLD WAR

      あの歌、2つの心』

   6/28〜  公式サイト

 『Girl/ガール』

   7/5〜  公式サイト

  


  

 (2019年8月推薦作品)

『存在のない子供たち』

   7/20〜  公式サイト

 『シークレット・

      スーパースター』

   8/9〜  公式サイト

  

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