世界の映画を観る、映画で世界を見る 2017年夏 (4)

  • 2017.07.17 Monday
  • 13:26

 

 

「世界の映画を観る、映画で世界を見る 2017年夏」より作品解説の続きです。(2017年7月17日)


 

 

    10. 『十年』

 

    英題: Ten Years (2015)

    製作国: 香港

    テーマ: 政治・社会・民族

 

 

【解説】

作品が香港で公開された2015年から“十年”後の2025年を舞台にした5つのショート・ストーリー。労働節(メーデー)の集会の舞台裏を描く「エキストラ」、消えゆく旧世界の何を残せるかを問う「冬のセミ」、広東語しか話せないタクシー運転手の物語「方言」、政府への抗議運動を背景とした「焼身自殺者」、言語統制や諜報活動を扱った「地元産の卵」――いずれも、新世代の若い監督(第3話のジェヴォンズ・アウ以外は無名の新人)が先の見えない香港社会の不安や混乱を物語や映像に反映させている。香港で単館上映から始まり、口コミで大ヒットになった話題の一作。

 

【キャッチコピー】

変わりゆく現実と、変わらないと願う未来

 

【監督】 

 クォック・ジョン(郭臻) 第1話『エキストラ』

 ウォン・フェイパン(黄飛鵬) 第2話『冬のセミ』

 

 ジェヴォンズ・アウ(歐文傑) 第3話『方言』

 〈代表作〉

 『大樹は風を招く』 (16)

 (香港金像奨で作品賞・監督賞など5部門受賞)

 

 キウィ・チョウ(周冠威) 第4話『焼身自殺者』

 ン・ガーリョン(伍嘉良) 第5話『地元産の卵』

 

【受賞】 

 香港金像賞(香港のアカデミー賞)作品賞受賞

 

【IMDb評価】  2017/07/02

 User Review

  7.1/10

 

【公開日(日本)

 7月22日

 

【上映劇場(東京)】

  新宿K‘s cinema

 

 公式サイト

 

 


 

 

    11. 『ウィッチ』

 

  原題: The Witch (2016)

  製作国: アメリカ

  ジャンル: ダーク・ファンタジー・ホラー

 

 

 

【解説】

『シックス・センス』のM・ナイト・シャラマン監督がヒロイン役の少女を次回作に抜擢したという注目のホラー映画。

 

【物語】

1630年、ニューイングランド。街を追い出された父ウィリアム(ラルフ・アイネソン)と母キャサリン(ケイト・ディッキー)は、5人の子供たちと共に森の近くの荒れ地にやって来た。しかし、赤子のサムが何者かに連れ去られ、行方不明に。連れ去ったのは森の魔女か、それとも狼か。悲しみに沈む家族だったが、父ウィリアムは、美しく成長した愛娘トマシン(アニヤ・テイラー=ジョイ)が魔女ではないかと疑いはじめる。疑心暗鬼となった家族は、やがて狂気の淵に陥っていく・・・。(公式サイトより)

 

【キャッチコピー】

・闇だけが少女を救う…

・愛する娘は魔女なのか―

 

【推薦コメント】

「人の心に深く切り込むホラー作品とは、社会が抱く闇と向き合いようなものである。」(本作のロバート・エガーズ監督)

 

【監督・脚本】 

 ロバート・エガース (長編デビュー作)

 

【出演】

 アニヤ・テイラー=ジョイ (娘トマシン)

 Anya Taylor-Joy Picture

 

ラルフ・アイネソン (父ウィリアム)

ケイト・ディッキー (母キャサリン)

 

【受賞】

 サンダンス映画祭監督賞受賞

 インディペンデント・スピリット賞受賞

  (新人作品賞/新人監督賞)

 

【IMDb評価】  2017/07/02

 User Review

  6.8/10

 Metascore (Critics)

  83/100

 

【公開日(日本)

 7月22日

 

【上映劇場(東京)】

  新宿武蔵野館

 

 公式サイト

 

 


 

 

  12. 『君はひとりじゃない』

 

  英題: Body (2016)

  製作国: ポーランド

  テーマ: 心の病を乗り越えて

 

 

 

【解説】 

母親の死後、拒食症でやせていく娘、彼女とうまくコミュニケーションが取れない検死官の父親、死者と交信できるセラピストの女性――この3人を中心としたポーランドの愛と再生の物語。人は家族の死とどう向き合い、生きていくべきか、その答えがラストの父と娘の表情に用意されている。ポーランドの映画賞で作品賞など数部門を受賞。ベルリン国際映画祭では監督賞を受賞した。

 

【物語】

 父親のヤヌシュ(ヤヌシュ・ガヨス)とその娘オルガ(ユスティナ・スワラ)は母親を亡くし、2人で暮らしている。検察官であるヤヌシュは妻の死後、事件現場で人の死体をみても何も感じなくなっていた。一方、オルガは心を閉ざし、摂食障害を患っていた。母親を失った今、ヤヌシュはそんな娘にどう接して良いか分からず2人の溝は深まっていた。

 日々痩せ細っていくオルガを見かねたヤヌシュは彼女を精神病院へ入院させる。そこでリハビリを担当しているのはセラピストのアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)。思慮深いアンナは発声練習や感情を出させる練習を積極的に取り入れ、同じ病を患う女の子たちの治療にあたっていた。

 ヤヌシュは相変わらず凄惨な事件現場でも冷静に分析をする。女子トイレに新生児が産み捨てられた現場をみたすぐあとにも食事をとり、部下からも怪訝な目で見られてしまう。そんなヤヌシュは、オルガと対照的に太っていくのであった…。 (公式サイトより)

 

【キャッチコピー】

・大切な人と向き合えていますか?

・父と娘の止まった時間が動き出す〈愛と再生〉の物語。

 

【推薦コメント】

「とくに“私には生きる価値がない”と思ってる人に見てほしい。本作は“副作用のない抗うつ剤”だ!」(香山リカ・精神科医)

「ユーモアがあって、静かで不思議であたたかい雰囲気に引き込まれました。普段、アメリカ映画ばかり見ている人にも是非、見てもらいたい映画です。」(越智啓太・法政大学心理学科教授)

 

【監督・脚本】 

マウゴシュカ・シュモフスカ

(世界が注目の女性監督)

 

【出演】

ヤヌシュ・ガヨス (父ヤヌシュ)

  

〈代表作〉

アンジェイ・ワイダ監督『鉄の男』(82)

クシシュトフ・キェシロフスキ監督『トリコロール/白の愛』(94

 

ユスティナ・スワラ (娘オルガ)

   

 

マヤ・オスタシェフスカ (セラピストのアンナ)

 

〈代表作〉

カティンの森』 (07)

 

【挿入歌】

 

♪ You'll Never Walk Alone

 

『サウンド・オブ・ミュージック』で有名なオスカー・ハマーシュタイン二世作詞、リチャード・ロジャース作曲のコンビによるミュージカル『回転木馬』(1945/映画化は1956年)の中の1曲。のちに様々なスター歌手によって歌い継がれてきたが、特に英国ではジェリー&ザ・ペースメイカーズというリヴァプールのバンドが1963年に大ヒットさせた(この映画で使われているのも、このバージョン)。サッカークラブのリヴァプールFCの愛唄歌にもなり、その影響で世界のクラブでも、歌われるようになっている。

 

  When you walk through a storm
  Hold your head up high
  And don't be afraid of the dark
  At the end of the storm
  There's a golden sky
  And the sweet silver song of a lark

  Walk on, through the wind
  Walk on, through the rain
  Though your dreams be tossed and blown
  Walk on, walk on, with hope in your heart
  And you'll never walk alone
  You'll never walk alone

 

【受賞】

 イーグル賞(ポーランド・アカデミー賞)受賞

 (作品・監督・主演男優・主演女優=マヤ・オスタシェフスカ)

 ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞

 

【IMDb評価】  2017/07/02

 User Review

  6.5/10

 

【公開日(日本)

 7月22日

 

【上映劇場(東京)】

 シネマート新宿

 YEBISU GARDEN CINEMA

 

 公式サイト

 

 


 

 

 

 

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contents

  

   演劇学部推薦公演(2020年春期)

  

   映画学部推薦作品(2020年春期)

  



  

オンライン映画演劇大学は映画と演劇を幅広く紹介、解説、研究するオンライン上の教育・文化活動です。文部科学省の認可は受けていませんが、実際の大学での授業と連携した情報や研究も掲載しています。

  

  【シェイクスピア学科】

       (講師: 広川治)

  

   【アメリカ演劇学科】

     (講師: 小島真由美)

  

   【映像文化学科】

アカデミー賞と

アメリカ映画の歴史

     (公開講座準備中)

  



  

   <5月の推薦作品>

  ・ 演劇学部推薦公演

  ・ 映画学部推薦作品

  



  

     <新着記事・講座>

  

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・ 「Barber Shop Chronicles」がNational Theatre at Homeで、5/15より1週間配信されています。詳細は解説ページを参照してください。

                 (2020/5/9)

  

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・ 映画レポート・作品リスト

     (テーマ別)が発表され

     ました。

                 (2020/4/26)

  

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・ 第1回アカデミー賞

     (1927−28年)

     女優賞ノミネート

     『港の女』

  〜映像文化学科講座〜

「アカデミー賞とアメリカ映画の歴史」資料7

                 (2020/4/18)

  

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・ 第1回アカデミー賞

     (1927−28年)

     監督賞ノミネート

     『群衆』

  〜映像文化学科講座〜

「アカデミー賞とアメリカ映画の歴史」資料6

                 (2020/4/16)

  

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・ 第1回アカデミー賞

     (1927−28年)

     男優賞ノミネート

     『サーカス』

  〜映像文化学科講座〜

「アカデミー賞とアメリカ映画の歴史」資料5

                 (2020/4/14)

  

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・ 第1回アカデミー賞

     (1927−28年)

     芸術作品賞受賞

     『サンライズ』

  〜映像文化学科講座〜

「アカデミー賞とアメリカ映画の歴史」資料4

                 (2020/4/12)

  

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・ 第1回アカデミー賞

     (1927−28年)

     女優賞・監督賞受賞

     『第七天国』

  〜映像文化学科講座〜

「アカデミー賞とアメリカ映画の歴史」資料3

                 (2020/4/10)

  

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・ 第1回アカデミー賞

 (1927-28年)男優賞受賞

     『最後の命令』

  〜映像文化学科講座〜

「アカデミー賞とアメリカ映画の歴史」資料2

                 (2020/4/10)

  

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・ 第1回アカデミー賞

 (1927-28年)作品賞受賞

     『つばさ』(Wings)

  〜映像文化学科講座〜

「アカデミー賞とアメリカ映画の歴史」資料1

                 (2020/4/9)

  

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・ National Theatre

     at home 配信予定

 〜英国より世界に配信〜

                 (2020/4/3)

  

・ 『サンシャイン・ボーイズ』

    (ニール・サイモン作)

                 (2020/3/15)

  


  

Update

・ 2020年 IMDb

     外国映画ランキング

  (資料作成:今村直樹)

  現時点でのベスト3は

  .僖薀汽ぅ函身消浪爾硫搬

  1997 命をかけた伝令

  フォードvsフェラーリ

                 (2020/4/3)

  

・ 2020年英米演劇上演

         ラインアップ

             (2020/4/2)

  


  

・ シネマグランプリ2019

   ノミネート・受賞の発表

            (2020/3/1)

  

・ 英米演劇大賞2019

   優秀賞・最優秀賞の発表

            (2020/3/1)

  

・ 2019年 IMDb

     外国映画ランキング

  (資料作成: 今村直樹)

                 (2020/2/18)

  


  

・ 

     アナと雪の女王

    (演技コース参考動画)

            (19/11/16)

  

・ 

   グレイテスト・ショーマン

    (演技コース参考動画)

             (19/11/10)

 


  

・ 2019年 秋期

    観劇レポート対象作品

     が発表されました。

             (19/9/16)

  

・ 2019年 秋期

    映画レポート対象作品

     が発表されました。

             (19/9/15)

  

・ 2019年英米演劇上演

         ラインアップ

             (19/8/8)

 


 

・ 『英国万歳!』で

     朗読される

     『リア王』の名場面

     が掲載されました。

             (19/5/31)

 

・ 『英国万歳!』

 〜登場人物・物語の解説

     が掲載されました。

             (19/5/30)

 

・ ミュージカル

 She Loves Me のすべて

     が掲載されました。

             (19/5/5)

 

・ 映画学部主催の新講座

   アカデミー賞と

   アメリカ映画の歴史

     講座内容・予定が

     発表されました。

             (19/5/1)

  


  

・ 英米演劇大賞2018

    (受賞作・受賞者の発表)

  

・ シネマグランプリ2018

 (受賞作・受賞者の発表)

  

・ 2018年 (第92回)

     キネマ旬報ベストテン

  

・ 2018年 IMDb

     外国映画ベストテン

    (資料作成: 今村直樹)

 


  

・ 2017年 IMDb

     外国映画ベストテン

    (資料作成: 今村直樹)

  




  

 【シェイクスピア学科】

  

        (講師: 広川治)

 講座概要・予定

 第1回  シェイクスピア

      ってヤバくない?

 第2回  恋人たちの

     シェイクスピア

 第3回  軍隊で

      シェイクスピア?

 第4回 アクション・スターがハムレット

 第5回  俳優たちの『ハムレット』

 第6回  国王のための

     名せりふ

 第7回  宇宙の彼方の

      シェイクスピア

  




  

   【アメリカ演劇学科】

  

 『エンジェルス・イン・

       アメリカ  第1部』

      (解説: 篠山芳雄)

  

 アーサー・ミラー

  『セールスマンの死』研究

  (講師: 篠山(ささやま)芳雄)

  


  

 

  (講師: 小島真由美)

 講座概要

 作品リスト

 映画リスト

 第1回入門編

 第2回 『カム・ブロー・

         ユア・ホーン』

 第3回 『はだしで散歩』

 第4回 『おかしな二人』

 第5回

『スウィート・チャリティ』

  映画『カビリアの夜』

  初演 (1966年)

  映画化 (1968年)

                   *

 第6回 映画 『紳士泥棒

      大ゴールデン作戦』

 第7回 『星条旗娘』

 第8回『プラザ・スイート』

 第9回 『浮気の終着駅』

 第10回 『ジンジャー

      ブレッド・レディ』

  




  

   【イギリス演劇学科】

  

・ オスカー・ワイルド

  『まじめが大切』論

      (講師: 石田伸也)

  

・ テレンス・ラティガンを観る:『深く青い海』

        (講師: 広川治)

 

・ 『ローゼンクランツと

   ギルデンスターンは

         死んだ』

      (解説: 石田伸也)

  

・   ミュージカル

『ビリー・エリオット』

   〜英語の歌詞に見る

       団結、自由、信念〜

        (講師: 広川治)

  


  

    

      + 観劇レポートより

  




  

 【映像文化学科】

  

・  カズオ・イシグロ

 『日の名残り』の映画化

      (講師: 篠山芳雄)

  

・ キネマ旬報ベストテン分析

      (講師: 今村直樹)

  

  <2017年夏>

     世界の映画を観る、

        映画で世界を見る

  


  

    

  




  

 (詳細な目次については

  CONTENTSページ参照)

  

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   演劇学部推薦公演

     (2020年3月〜)

  

     リーマン・トリロジー

         (NT Live)

原作:ステファノ・マッシーニ

翻訳: ベン・パワー

演出: サム・メンデス

主演: サイモン・ラッセル・

          ビール

       (3/6 一夜限定)

       (3/7〜13)

  


  

 National Theatre at Home

英国より世界に配信(4月〜)

  


  

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 映画学部推薦作品 (新作)

  

 (2018年洋画推薦作品)

   


  

 『スリー・ビルボード』

   2/1〜  公式サイト

 『タクシー運転手

    約束は海を越えて』

   4/21〜  公式サイト

 『フロリダ・プロジェクト

     真夏の魔法』

   5/12〜  公式サイト

 『ワンダー  君は太陽』

   6/15〜  解説ページ

 『ブリグズビー・ベア』

   6/23〜  公式サイト

  


  

 『判決、

     ふたつの希望』

   8/31〜  公式サイト

 『1987、

     ある闘いの真実』

   9/8〜  公式サイト

 『バッド・ジーニアス』

   9/22〜  公式サイト

 『search サーチ』

   10/26〜  公式サイト

 『ボヘミアン・ラプソディ』

   11/9〜  公式サイト

  



  

 (2019年洋画推薦作品)

 『バジュランギおじさんと、

   小さな迷子』

   1/18〜  公式サイト

 『女王陛下のお気に入り』

   2/15〜  公式サイト

 (2019年3月推薦作品)

 『グリーンブック』

   3/1〜  公式サイト

 『COLD WAR

      あの歌、2つの心』

   6/28〜  公式サイト

 『シークレット・

      スーパースター』

   8/9〜  公式サイト

  


  

 『ホテル・ムンバイ』

   9/27〜  公式サイト

 『ジョーカー』

   10/4〜  公式サイト

 『盲目のメロディ』

   11/15〜  公式サイト

 『アイリッシュマン』

   11/15〜  公式サイト

 『マリッジ・ストーリー』

   11/29〜  公式サイト

  



  

 (2020年1月推薦作品)

 『パラサイト

      半地下の家族』

   1/10〜  公式サイト

 『ジョジョ・ラビット』

   1/17〜  公式サイト

  


  

 (2020年2月推薦作品)

 『ナイブズ・アウト

  名探偵と刃の館の秘密』

   1/31〜  公式サイト

 『1917 命をかけた伝令』

   2/14〜  公式サイト

  


  

 (2020年3月推薦作品)

 『黒い司法

     0%からの奇跡』

   2/28〜  公式サイト

 『ジュディ 虹の彼方に』

   3/6〜  公式サイト

  

 PageTop▲

  

   Music for Live Show

    (2019年10月)

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